加藤重広, 『日本語文法 入門ハンドブック』

コンパクトな日本語文法の本。

学校文法から現在の文法研究に何歩か踏み出したところ

というはしがきの言葉のとおり、学校文法が扱わない細かい現象をそれなりに網羅している。
文例も豊富。
参考文献へのポインタがもう少し細かく用意されているとありがたい。

「ている」の特徴は、未完了と完了の両方の解釈があるという点。
つまり、
未完了で進行中(「いま終わっているところなので、少し待ってください」、のように)と、
完了していて結果を述べている(「そのときにはもう終わっているから、大丈夫だ」のように)。
それぞれの解釈の選ばれやすさは、動詞や文脈によって変わる。